Lingerine ショップ&ブランドハーフTバックという新たな世界観の生みの親
lingerieche ランジェリーチェ

【国内ランジェリーブランドレポート Vol.3 – lingerieche ランジェリーチェ】

ハーフTバックという新たな世界観のTバックを生み出した 『lingerieche ランジェリーチェ』 デザイナーの清水めぐみさんにインタビューをさせていただきました。自立したいという思いでブランドを立上げた経緯や、ランジェリーに目覚めたきっかけ、ショーツを中心に新たなことにチャレンジしているお話など、色々聞かせていただきました。

―  ブランドの立ち上げの経緯を教えてください。

私の親戚と家族が自営業をしていて、その影響もあり大学は経済学部入りました。そこで経営のことを学び、卒業してからなぜか起業はせず就職をして事務の仕事をしていたんです。いつかは起業をしたいと思っていたのと、勤めていた会社である出来事があったことがきっかけで、自分で起業をしようと決意しました。
あるきっかけとは、社内で課長を決める事になったんです。その時、絶対にこの人が課長になるであろうと思う女性がいて、ベテランだし、仕事も出来る人で信頼もされていたんです。でも結果は入社3年目の男性社員が課長に選ばれました。

それを見た時、どんなに仕事が出来て会社に貢献していても、この会社では女性は昇進出来ないのかなと感じてしまい、なんだか自分の限界が見えたような気がしてこわくなりました。
今でこそ女性の活躍する場が増えて、女性役員など増えているように感じますが、その時は女性の立場の弱さなどを強く感じて、本当にショックを受けました。女性はどうしても男性よりも肉体的に劣る部分ありますよね? それに伴って精神的にも弱い部分があるのかなって思うんです。でもそれは本能的な部分であって、現代においてそれは男性も女性も平等だと私は考えています。実力は努力でカバーできますが、生まれ持った性は選べませんから…

このままここで働き続けても先は見えている、不安や疑問を感じるくらいなら起業をしてビジネスを行い、自分のやりがいや可能性を広げたいと思ったんです。

起業するにあたり3つのビジネスプランを考えていたのですが、それぞれ実際にビジネスとしてやっていけるかなど、色々なことを考慮した結果そのうちの1つランジェリーブランドを立ち上げることにしました。
ランジェリーが凄く好きだったのと、私らしいなと感じた部分と、スタートアップしやすくてリスクが少ないこと、他にはパンツを履かない人は居ないですし流行に左右されることがあまり無い、腐る事もない、これもランジェリーブランドを始めるポイントになりました。

―  ブランドに対する思いや大切にしている所はどんなことですか?

人生は日々選択の連続だと思います。
その中でもお洋服は色々な理由によって好きなものを自由に選べないこともありますよね。でも下着は自分の好きなものを選択して自分の世界観で完結出来る。なので、意思を持って選択して欲しいと思っています。
自分の信念を持って選択をする、そんな強い意思を持ってもらいたい。「lingerieche」はそのような女性を支え応援しております。ですので、意思を持って「lingerieche」のアイテムを選択して欲しいです。

デザインについては、総レースにこだわっています。
総レース以外では作らないの? って意見もあったのですが、レースが女性のヒップを1番魅力的に見せてくれると思っています。何よりとても美しくて、纏った時に凄くテンションが上がりますね。レースってとても繊細であれが細い糸から紡ぎ出されていると思うと感動してしまうんです。レースが凄く好きで愛着もあります。

それと、女友達がしばらく家に泊まっていたことがあって、その子はTバックを履かない派だったんです。ある時その子が、私が赤いTバックを履いてウロウロしている姿を見て「お相撲さんみたいだね」って言ったんです。
とてもびっくりして、そんなこと考えた事も無かったからTバックを履かない人はそんなことを思うんだって・・・それならもっとお尻が美しくて、お相撲さんとはかけ離れた世界観のものを作ろうかなと思ったんです。
これがハーフTバックを作るきっかけになっています。

―  ハーフTバックのメリットは何ですか?

Tバックとも少し違うエレガントな雰囲気で、Tバックに抵抗があっても履ける上品さを感じるものが作りたかったんです。メリットはTバックよりは縦の食い込みと横の部分の食い込みが少ないことですね。レースの伸縮でお尻を包んでくれるので、お尻が段々にならないです。見た目的にもTバックよりもお尻を隠してくれるので、お尻が見え過ぎるからTバックに慣れないと感じる人でも履きやすいです。それと、Tバックが好きだけど、Tバックを履きすぎて飽きた人にもおすすめです。

―  ショーツをデザインするときに何か決まってしていることや参考にしていることはありますか?

ランジェリーを購入する時はだいたい上下セットで購入する人がほとんどですよね? そして先にショーツだけ消耗してしまう事が多いので「Lingerieche」の商品はセカンドショーツとして購入される事がとても多いんです。なので、ブラジャーの柄に合うか? 色が合うか? などを重視して作るようにしています。
他にもセットのショーツのサイズが合わない、履き心地が好きじゃない、そういう方にも選んでいただけるのでデザインをする時ブラジャーとの相性はやはりとても大切だと思っています。
あとは色のラインナップですかね、色のパターンも増えていて50色以上の色を今まで作ってきたと思います。自分で染色もするので、その時にしか出せない色もありますけど…トレンドを意識した色を入れつつ、基本的には定番で人気カラーのピンク、ベージュ、白、黒は常に作り続けています。

―  最新の商品はどんなものですか?

最近はショーツ以外にもマスクを作っています。
マスクを毎日着けるようになってから、マスクのゴム紐にピアスが絡まってしまう事がよくあって、それが嫌であまりピアスを着けなくなってしまったんです。でも顔周りが寂しいなと感じてマスクにアクセサリー代わりのビジューをつけて華やかな感じにしました。今は10種類以上あって、それぞれ違うレースを使ったりゴールドのラインを入れたりビジューを着けるなど、その時々で使う物を少しずつ変えてアレンジをして作っています。

あとフルバックに挑戦していますね。「Lingerieche」の商品は個人のエステサロンやブラジリアンワックス店などで販売をしてもらい、卸販売をメインにしているんです。お客様の要望でフルバックを作って欲しいと声が沢山上がっていて、今まではハーフTバックとTバックを作っていましたが、要望に応えたいと思い「Lingerieche」らしいフルバックを作っています。

―  この時期おすすめのショーツはどんなものですか?

ラインが響かないようなタイプや、蒸れないものがいいと思います。レースの素材は蒸れにくいのでいいですね。
うちでは取り扱いが無いですが、コットンも蒸れなくていいですよ! 吸水素材なので快適に過ごせます。コットンの注意点はコットン100%だと生地が伸びやすいので、少しでもポリウレタンなどが入っている方が取り扱いはしやすいです。

―  ランジェリーに目覚めたきっかけを教えてください。

高校の時に下着が欲しいなと思って、ランジェリーショップに見に行ったんです。その時、私の身体にピッタリ合うランジェリーを見つけました。
今まで着けていたものとはまったく違って、着け心地のフィット感も良く、身体が綺麗に見えてとてもびっくりしました。その時は「胸あるじゃん!!」って、ちゃんとバストメイクしてくれて谷間のある綺麗なバストを作ってくれる! しかも装飾がため息出るほど美しい! ブラジャーってこういう世界なんだと新たな発見をした感じでした。

ヌードより綺麗に見えてデザインも美しい、着けたは時大人になった感じがしてとても嬉しかったのを今でも覚えています。それまで子供だったというのもありますけど、ランジェリーに対しては何も感じていなかったのですが、ブラジャーのすばらしさに感激しました。今迄知らなかったことを知った時の衝撃でランジェリーに目覚めたと思いますね。

―  最初に購入した又は一番印象に残っているランジェリーはどんなものですか?

印象に残っているのは先程お話した、高校の時に購入したランジェリーですね。買いに行った理由までは覚えていないんですけど、その時の衝撃は覚えています。その時からTバックを履いていました(笑)。
私はTバック派でほぼ100%くらいTバックを履いています。

―  持っているランジェリーの数はどれくらいですか?またランジェリーを選ぶときのこだわりなどはありますか?

持っているランジェリーの数はたぶん150~180くらい、しかも大半が着てないやつです。
ボディなども含めてめちゃくちゃあって、探したら1軍2軍みたいにこれは着る、これはコレクション用って色々なところにしまってあって何年も見かけてないものもありました(笑)。買ってサイズ合わないのも、可愛いから取っておこうって、気がついたらどんどん増えていき、実際着ているのは20枚くらいですね。

デザインの為に買うものだと、この生地とこの生地の組み合わせは珍しいなとか、この生地とこのゴムを使うって凄い、このステッチをここに使うんだ! とかここで買わないと二度と出会わないだろうという珍しさや、参考になるものを買うようにしています。
最近気になっているのは、異素材の組み合わせで、繊細なレースに太いゴムを合わせたギャップのあるデザインです。あとはショーツにハーネスがついているのが欲しいと思っていて、ショーツ以外のランジェリーでいうと、お洋服として着られそうなものとか、パーティーで使えそうなアイテムを選んでいますね。珍しくて個性的に感じるものが好きです。

―  今後の展開を教えてください。

オンラインショップを3~4ヶ月前から作っていて、今迄HPとオンラインショップ別々だったのを1つにして力を入れるようにしています。マーケティングやブランディングにも力を入れてそこで売上が上がるように準備をしています。
他にはハーフTバックをもっと一般的にしていきたいです。Tバック、フルバック、ボクサーこれがざっくりした定番になっているので、この中に新たな選択肢としてハーフTバックが含まれて欲しいなと思っています。

それと、女性が生きていく上での強さみたいなものを大事にしたいです。
女性だからという理由で社会的制限や我慢をすることがあってはならないと思っています。女性だからこうしてはいけない、女性はこうあるべきだというような考え方にもウンザリします。自立したい、強い心を持った女性を応援する為に何が出来るか考えて「下着を作りたい! ブランドを立ち上げたい!」という人に対してOEMでサポートをしようと思ったんです。

個人でOEMをする場合、少ないロットから始めたいという人が多くて、でも少ないロットで受けてくれる工場はなかなかありません。製作用のレースにしても業者さんだと、まとまった量でしか購入は出来ません。なので、やり方としては「Lingerieche」で使っている材料を分けて工場発注などを一緒に行うことで負担を減らし、ランジェリーを作る。それなら個人でも始められると思うんです。
OEMではノンワイヤーブラジャー、ワイヤーブラジャー、補正下着も作れます。

デザインについては、持ちこんでもらい作る場合もありますし、イメージが具体的に決まっていないのを一緒に考えて作る場合もあります。どちらでも対応可能です。また、4つの工場と提携していて、その工場によって得意なものが違うのと、ロットの問題などもあるので、作りたいものに合わせて工場を変えて対応をしています。

自社の製品としてはお話したフルバックなど、新たなニーズがあるものに対してはそれに応えたいと思っています。メンズラインに関しては、2種類製作していてクラウドファンディングを行いました。そのうちの1つが繭玉を買い繭玉をほどいて糸にする、工程から独自で製造をしています。これをクラウドファンディング以外で店舗にも置いて販売できるように考えています。

lingerieche (ランジェリーチェ)

OFFICIAL ONLINE STORE
https://www.lingerieche.com/
Instagram
@lingerieche.insta
@gentryche
@muteking.insta

【今回ご紹介したアイテム】

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Mayo

ランジェリー大好き。Lingerine第1号です。ファッション、美容、ワインも好きです。よろしくお願いします。

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