Lingerine ショップ&ブランド絵画のように美しく洗練されたランジェリーブランド Maimia マイミア

【国内ランジェリーブランドレポート Vol.2 – Maimia マイミア】

絵画のように美しい洗練された大人の女性のランジェリーブランド 『 Maimia マイミア 』
デザイナーの神成舞さんにインタビューをさせていただきました。ブランド立上げの経緯やランジェリーに目覚めたきっかけなど、色々お話を聞かせていただきました。

―  ブランドの立ち上げの経緯を教えてください。

服飾専門学校のエスモードジャポンで通訳をしていました。
私が通訳をしていた講師はデザイナーの 「 John Galliano (ジョン・ガリアーノ) 」 や 「 Stephano Pilati (ステファノ・ピラーティ) 」 のチームで働いていた方で、通訳をしながら講師の熱意のある授業や生徒の頑張る姿見ているうちに私もデザインをやってみたいと思うようになりました。

洋服ではなくランジェリーを選んだのは、ファッションは着たいものが沢山ある、でもランジェリーは自分体型に合うバランスの取れたものが難しくて欲しいものがなかなか見つからない、それなら作ってしまおうと思ったからです。そしてランジェリーの製作について学びたいと思い、エスモードの通訳を続けながらバンタンデザイン研究所キャリアカレッジで1年間ランジェリーの基礎を学びました。バンタンでデザインしたものをベースに一年半準備して、かなり形は変わりましたが、それがデビューコレクションに繋がっています。

―  ブランドに対する思いや大切にしている所はどんなことですか?

商品に関しては、お客様が日常で着てもらえるものに仕上げるということにこだわり、日常で使うシーンが想像できないものにならないように、お客様のライフスタイルを見ながら製作しています。
デザイナーが中心の商品になるのではなく、お客様が着るシーンや、お客様の人生が真ん中にあるような商品を作りたいと思っています。また、ショーツの色を変えても組み合わせることができるようにしたコレクションなど、美しさだけではなくて機能面もデザインに取り入れるようにしています。定番のブラのシルエットに関しても、ただ美的観点から華奢なだけではなくて、タンクトップ1枚の下にも使えるように脇が浅いデザインになっていたり、ストラップが見えても気にならないようにサテン生地で包んだストラップを採用していたり、忙しい1日の中で気軽に着られるものを目指しています。

ブランドに関しては、 「 服を着たあなたと裸のあなたの間の、もう1人のあなたをインスパイアしたい 」 というのがコンセプトです。服を着ている時よりも社会的な目を気にしなくてもいいし、裸の時よりももう少しなりたい姿になれる。そんな、女性が持つもう一人の自分だからこそ感じられること、できることを見つけていってほしいと思います。道具として身に付けることで、新しいことが始まるような、ひらめきを与えるアイテムになって欲しいと思っています。

―  ランジェリーをデザインするときに何か決まってしていることや参考にしていることはありますか?

デザインを作るにあたり2つのステップがあります。 まずは商品にすることを考えず、ただとても美しいなとインスパイアされたものをリサーチして、そのムードについて、カラーのイメージや感情、静なのか動なのか、湿度の有無、などを詳細に決めていき、イメージボードをつくります。そこから、がらりと商品にしていく頭に切り替えて、お客様が着やすい配色を考えつつ、アイテム構成や色の配色・素材の配置を考えていきます。

リサーチの段階では、ジャンルは関係なく美しく感じるもの、興味を持てるもの、色気を感じるものが選択基準です。コレクションは、雰囲気が魅力的な場所をテーマにしているものが多いですが、他にも60年代~70年代のアメリカの抽象表現画家の作品をコレクションにした “Expressionist” コレクションは、配色や筆の筆跡などに色気を感じたので、コレクションにしたいと思いました。同じ時代の抽象表現画家でも、他のアーティストの作品ではコレクションをイメージできていなかったと思います。

―  ブランドを立ち上げ渋谷西武で常設販売に至るまでに、特に大変だったと感じたことはあリますか?

百貨店さんでの常設をゴールにしてはいなかったのですが、お客様が 「Maimia (マイミア) 」 を見たいなと思った時に、気軽に商品を見てもらえる場所が欲しいとは思っていたので、常設が決まった時は嬉しかったです。大変だったことは、私とアシスタントだけで回しているので、この仕事をやっていなかったらやらなかっただろうなと思うような、苦手な分野のことをやることになったことでしょうか…。
実は以前は、イベントを開催したり、新しい人に会ったりするのはあまり得意ではありませんでした。でも今は慣れましたし、お客様との交流を楽しんでいます! 何もかもが初めてなので、慣れないことを全部やっていくことは手探り状態で、大変だと思うことも多かったです。

―  最新の商品はどんなものですか?

最新商品は春夏のコレクションの ISOLA BELLA (イゾラベッラ) コレクションです。

北イタリアのマジョーレ湖に浮かぶ島イゾラ・ベッラに行き、ボッロメオ宮殿に足を運んだ際に、そこのバロック庭園に圧倒されました。庭園には白い孔雀が歩いていて、一緒にお散歩が出来る、楽園のようなとても美しい場所でした。そして、その美しいバロック庭園にインスピレーションを受けて今回のコレクションを作りました。イタリアの太陽を浴びたような、軽くてポジティブでロマンティックなコレクションで、今回はランジェリー以外にも、ガウンやカップつきのドレスなども作っています。

―  この時期おすすめのランジェリーはどんなものですか?

この時期おすすめのランジェリーは ストラップレスのブラ のルックですね。
私自身、春夏はノースリーブのドレスを着て過ごすので重宝しています。他にはオフショルダーやワンショルダーなどの肩の開いたトップスを着るときにも使いやすいです。デビューコレクションから継続して展開しているもので、ストラップをつけても着けられます。シルエットはバルコネットのような感じで、バージスが少し狭めで、高さがキュッと出るタイプです。トライアングルブラ のセットもオススメです。

ストラップはトップスから見えても美しく着られるようにオリジナルカラーで染めているので、どんなお洋服にも合わせやすいです。トライアングルブラとかノンワイヤーのブラを着けない方は、胸を支える安定感がないことや、胸が平らになりがちなシルエットを気にされますよね。そこを解決出来るようにバージスラインにホールド感のあるストラップを配して、立体的なパターンにしています。どんなお洋服でも合いますね。お洋服を綺麗に着られるトップの位置でパターンを設定しているので、お洋服を着た時のシルエットが、ノンワイヤーブラのイメージを覆すくらい、とても綺麗に見えます。

―  ランジェリーに目覚めたきっかけを教えてください。

ランジェリーを好きになったのは母の影響が強いと思います。子供の頃から母と一緒にインポートランジェリーショップに行くことがありました。母はシルエットが美しく見えるインポートのランジェリーを愛用していて、大人の女性はこういうものを着けるのだと子供ながらに思っていました。一緒にインポートランジェリーショップに通ううちに綺麗なランジェリーに魅力を感じるようになり、美しいなと感じるランジェリーを色々と購入するようになりました。

―  最初に購入した又は一番印象に残っているランジェリーはどんなものですか?

母に連れて行ってもらった、 「ブティックシーン」 さんで販売していた 「 Swan (スワン) 」 というブランドのランジェリーです。今はブランド自体が終了してしまい、あまり情報がないのですが…サテン素材にリバーレースを配したランジェリーでした。そのあと買ったのが 「 Malizia (マリツィア) 」 の商品だったと思います。

数年前に終了してしまいましたが、「 Malizia (マリツィア) 」 は 「 La Perla (ラペルラ) 」 の姉妹ブランドで、メインのラインよりも少しフレッシュなカラーが多く、軽い仕上がりでした。今、私が作っているランジェリーのデザインにイメージが近くて、ハーフカップで1段ホックで、リバーレースを使用したデザインでした。好きなコレクションのアイテムは長いこと着けていて、まだ家にあると思うんですけど、たくさん着たのでボロボロになっているかもしれません。

コレクションが終了した後も、同じコレクションの違う形のブラやショーツを、色々なオンラインのサイトから買い足していました。他にも、 「 La Perla (ラペルラ) 」 と 「 Agent Provocateur (エージェント・プロヴォケーター) 」 は自分の身体にとても合っていて、買い溜めするくらい気に入っていました。考えると今作っているものは、昔から好きだったランジェリーの集大成だなと思います。一番着たいデザインが作れているので嬉しいです。

―  好きなランジェリーのタイプはどんなものですか?またランジェリーを選ぶときのこだわりなどはありますか?

今作っているランジェリーを見ると分かりやすいですが、華奢なシルエットでハーフカップ、軽さがあって、お洋服が綺麗に見えるものが好きです。私は身長が152㎝くらいなので、身体の面積的に、ハーフカップのブラがバランスが良く、綺麗に見えます。

―  持っているランジェリーの数はどれくらいですか?

持っているランジェリーは50~70ルックくらいだと思います。最近はほとんど 「 Maimia (マイミア) 」 の商品を着ています。でも、毎シーズン4~8ルックを展開するので、全て持っているわけではないです。商品を企画する時に参考にするものも、サンプルとして購入します。
新しいランジェリーは常にチェックしていて、10ドルくらいのファストファションのランジェリーを見ることもあります。他の商品からアイディアやヒントをもらうことももちろんありますが、マイミア らしく形や発想を変えて、かつ10倍以上良いものに出来るのと確信がない限りは、アイディアを取り入れようとは思わないですね。

―  今後の展開を教えてください。

現在、少人数で業務を行っているので、これから徐々に拡大するために、会社でのオペレ―ションの精度をあげて、頼れるメンバーを増やして、チーム作っていきたいと思っています。

あと、 「 アンテルフィリエール (INTERFILIERE) 上海 」 でヤングレーベルアワード 3位を受賞し、その際に副賞として、2020年7月開催予定だった 「 ユニーク バイ モードシティ (UNIQUE BY MODE CITY) 」 の出展権をいただきました。しかし、コロナウイルスの影響でこの展示会が中止になってしまって。その代わりに 「 パリ国際ランジェリー展 (SALON INTERNATIONAL DE LA LINGERIE) 」への出展権に振り替えていただけたで、こちらを目指してコレクションを制作しています。

夏の 「 モードシティ 」 はスイムウエアがメインで 「 パリ国際ランジェリー展 (SALON INTERNATIONAL DE LA LINGERIE) 」 はランジェリーがメインなので、ランジェリーブランドとしては 「 パリ国際ランジェリー展(SALON INTERNATIONAL DE LA LINGERIE)」に出展出来るのはとても光栄な事だと思っています。他には9月/10月に秋冬のコレクションを発表予定です。これ迄に5回行っている「 il Felino. (イルフェリーノ) 」 さんとのコラボも今後予定しています。

もう一つは、コレクション外で 「 Maimia (マイミア) 」 なりのサスティナブルな取り組みを考えています。アパレルの業界では余剰在庫や資材廃棄が問題になって久しいですが、 「 Maimia (マイミア) 」 のような小さなブランドで何ができるか、常に考えていて。今回は、今までのコレクションでの余剰在庫になっているショーツを活かすために、新しいデザインのブラジャーを制作して組み合わせて、全く新しいルックとして展開します。コレクションを作った時に必ず出てしまう残反も無駄にならず、新たなアイディアで美しいものを生み出すことができるので、店頭とオンラインストアでのお客様の反応も楽しみです。

また、販売に関しては、最近はインスタグラムでのライブ配信に力を入れて、お客様とのコミュニケーションの場を増やせるようにしています。新しいコレクションのローンチに合わせてライブ配信でご紹介する形を取っていて、お客様の反応がリアルタイムでダイレクトにわかるので、インスタライブは引き続き楽しみながら注力していきたいです。

Maimia (マイミア)

OFFICIAL ONLINE STORE
https://www.maimia.jp/

Instagram
@maimia_lingerie

【今回ご紹介したアイテム】

SHARE
Reika

飲んだくれていた日々から一転、健康を意識しだした今日この頃。女性の体型とライフスタイルは変われども、美容と健康は永遠のテーマ・・・ライフイベントに合わせたランジェリーライフを楽しんでます♡

Author
Author

Reikaの記事

ショップ&ブランド

[ 後編 ] 暑い夏にオススメ! 夏向け最新ランジェリーで今年の猛暑もサラリと乗り切る

ショップ&ブランド

[ 前編 ] 暑い夏にオススメ! 夏向け最新ランジェリーで今年の猛暑もサラリと乗り切る

ショップ&ブランド

「じぶんを生きるランジェリー」体と心にアートを纏う~Lingerie Art ランジェリーアート~

ショップ&ブランド

絵画のように美しく洗練されたランジェリーブランド Maimia マイミア

ショップ&ブランド

[ 後編 ] pipi_ttaphanデザイナーに聞く、飾ることから解放された大人のランジェリー

ショップ&ブランド

[ 前編 ] pipi_ttaphanデザイナーに聞く、飾ることから解放された大人のランジェリー