Lingerine Fascinate対談日本ボディファッション協会公認リポーター Pink Rabbitさん インタビュー
ランジェリーの展示会やPOPUPイベントなどで、ピンクのウサギを目撃したことはありませんか? フェミニンでキュートな彼女の正体は、日本ボディファッション協会 公認リポーターPink Rabbit(ピンクラビット)さん ランジェリーラヴァ―の間ではお馴染みかもしれません! 今回はそんなピンクラビットさんの誕生秘話からお仕事内容、ランジェリーにまつわるエピソード、知っているようで知らなかったランジェリーの豆知識など、ランジェリーがもっと好きになるお話をたくさん伺いました。
― 日本ボディファッション協会公認リポーターの就任の経緯について、誕生秘話を教えてください。
就任は2018年1月1日です。初仕事はその年1月に開催されたパリ国際ランジェリー展の取材でした。
日本ボディファッション協会(以下「NBF」とします)が、ランジェリーの魅力や選ぶ楽しさや最新のランジェリー情報を広く伝えたいというご意向があって、その役割を担ったのが私です。
実在の誰かがレポートするよりは、キャラクターの方が親しみやすく、覚えて頂けるのではないかと思い、キャラクター化となりました。
ピンクラビットという名前の由来は、『ピンク・ラビット塾』というNBF会員企業のデザイナーさんが集って下着について学ぶNBF主催の勉強会があったんです。その時の “下着について学び、下着について知る” というピンク・ラビット塾の意義を継承したいという思いがあって名付けられました。
そこから、「ピンクのウサギのキャラクターにしましょう」ということに決まって、NBF会員企業のクリエーターの方にキャラクターを5種類ほど描いていただき、関係者などにアンケートを実施し、一番人気が高かった今の姿に決まりました。
― 人気投票だったんですね! ピンクラビットさん、フェミニンで可愛らしいキャラクターですもんね。
ちょっとフェミニンだったり目の感じがセクシーだったり、実はスリップの中には紐パンとガーターベルトを着けているんです。全体の雰囲気として、ちょっとおねぇさんっぽくてフェミニンな雰囲気があります。ピンクラビット自身が、ランジェリーが好きであることが伝わるキャラクターとなりました。
― 紐パンにガーター、可愛すぎます! お仕事内容はどんなことをされていますか?
インスタやブログなどのSNS通じて、ランジェリーの魅力を広く一般の方々に伝えることが一番のお仕事です。下着はブラ&ショーツだけでなく、スリップやキャミソールなど豊富な種類があることを伝えるのも役割です。今時は、スリップをお持ちでない若い方もいらっしゃいますよね。NBFの会員企業はプロ集団の集まりですが、その人達が作るものを広く一般の方々にもお伝えする繋ぎ役を担っております。
ただ、NBF会員企業の情報だけではなく、インポートブランドや新進気鋭のデザイナーなど、幅広く取材することで、より多くの方にランジェリーに興味を持っていただくように心がけています。
― 会員企業様以外の取材も多くされているんですね。
はい。色々な事をきっかけにランジェリーに興味を持つ人がいると思うんです。きっかけはインポートランジェリーでもいいし、自分と同年代のデザイナーさんが作ったランジェリーでもいい、どんなきっかけでもいいので、まずはランジェリーに興味を持ってほしいというのがNBFの思いです。そのきっかけづくりとなれればいいなと思って活動をしています。
コロナ禍で状況は変わったが、展示会やイベント、ポップアップストアなどには直接出向き、その場でお聞きした話や感じたことをレポートするようにしています。
― 日本ボディファション協会(NBF)はどのような活動を行っているのでしょうか?
ボディファッション業界の健全な発展に寄与する活動を行っています。NBFでは、 (1)コンプライアンス (2) 品質の維持向上 (3) お客様との接点の強化 (4) 人財の育成という4つの基本方針があります。たとえば、人財の育成では、インティメイトアドバイザー認定試験や下着類製造職種技能評価試験を行っています。
また、NBFでは品質の証として、独自に業界としても高水準の品質基準を設け、この基準に合格した製品のみにNBFロゴマークの使用を許可しています。皆様のご自宅にある商品を一度ご確認してみてください。タグ部分を見てみると、NBFのロゴが入っているものが1着はあるのではないでしょうか?
引用:一般社団法人 日本ボディファッション協会 公式ホームページ
― これは初耳でした。自宅でさっそく確認してみます! いろんな活動をされていると伺えましたが、その中でも印象に残っているお仕事について聞かせてください。
初めて取材した2018年1月の「パリ国際ランジェリー展」の取材で “デザイナー・オブ・ザ・イヤー” という、その年に活躍したブランド、注目されたブランド、これからのランジェリーの流れをいち早く導くようなブランドに与えられる賞を、ワコール ヨーロッパの「ワコール」ブランドが受賞し、ランジェリーディレクターである日本人デザイナーがステージで表彰されている光景に、とても感動しました。トロフィーを掲げ、賞賛の拍手を浴びている姿をみて、日本人が下着の本場であるヨーロッパで認められていることに本当に感動しました。
ワコールが持っている長年の研究から生まれた機能性と技術、そしてデザインの美しさを融合させたという部分が受賞理由でした。日本のブランドが長年培ってきたことがヨーロッパの人々に受け入れられ、そして美しさをも兼ね備えた素晴らしい商品だということが評価されていたことにもとても嬉しく感じました。
― 日本人デザイナーの初受賞に出会えるなんで、センセーショナルなお仕事デビュー戦ですね! 他にはどんなことがありましたか?
パリの「シャンタルトーマス」のブティック前で撮った写真をインスタグラムに投稿したら、シャンタル・トーマスさん本人から「いいね!」と「cute」のコメントをして頂いたことは嬉しかったです。
様々な取材でデザイナーさんやモデルさんにもお願いして一緒にインスタに写っていただいています! 最近「インスタグラム見ています!」と声をかけて頂ける機会が増えたのはすごく嬉しいですね。
あとは、上海や香港のランジェリー展の取材は、ヨーロッパとはまた違う雰囲気で興味深かったです。
― これからやってみたいお仕事についても教えてください。
2020年1月の「パリ国際ランジェリー展」以来、海外の取材に出ていないのでコロナ渦の状況が落ち着いたら早く取材に行きたいなと思っています。
それからもう1つ、レース工場や縫製工場など、生産の現場を取材したいと思っています。中を見てみたくないですか!? 都心には工場があまりなく、地方の方に行けばレース工場や縫製工場があるのですが、なかなか地方に行く機会がないので今後取材をしてみたいと思っています。レースのデザイナーさんや、縫製を担当されている方の取材もしていきたいなと思っています。
― 好きなランジェリーのタイプについて教えてください。
繊細なリバーレースの美しさを堪能できるランジェリーも、シンプルなモールドカップのブラジャーも両方好きです。どちらかと言えは、装飾で魅せるデザインよりも、全てそぎ落とした究極の機能美が際立つようなデザインが好きです。
― 機能美が際立つようなというと、先ほどの印象に残ったお仕事で聞かせていただいた、ワコールヨーロッパの受賞ランジェリーのような感じですか?
おっしゃる通りです。何の飾りもない真っ赤なシェイプウェアでした。シェイプウェアなのにそこはかとない色っぽさが有り、まさに機能美でした。
― ランジェリーにまつわる思い出エピソードはありますか?
パリのランジェリーブティック、中でも日本でも知られているような有名ブランドのお店に行くと、大人の女性がすごく熱心に、かつ楽しそうにランジェリーを選んでいるんです。お店の方ともコミュニケーションをとりながら、すごく楽しそうに選んでいる姿を見ると素敵だなぁと感じます。
それから、年齢を重ねたカップルが、百貨店のランジェリー売り場に一緒に買い物に来て女性が試着するのを椅子に座って待っている光景も印象的でした。特別なことではなくて普通にある当たり前の光景で、良いなぁ~と思います。
― 日本ですと男性がランジェリー売り場にいると白い目で見られたりしますもんね・・・残念です。
そうですね。日本もこうしてカップルで下着店に訪れられるような文化になるといいなぁと思います。バレンタイン前には、ロンドンで百貨店のウインドゥに赤のランジェリーがディスプレイされていたことも印象的でした。ヨーロッパではバレンタインには恋人同士がお互いにプレゼントをする習慣があり、赤のランジェリーがディスプレイに飾られフューチャーされていることが多いです。
― ヨーロッパ、刺激的で楽しそうですね。ピンクラビットさんはどうしてランジェリーを好きになったのでしょうか?
ランジェリーというのは人の目に触れないものじゃないですか。それゆえにランジェリーは、その人自身の本当の姿を表現するものだと思うんです。それが一番の理由です。
自分に合う下着を丁寧に選んでいる人は、自分を大切にしている人だと思うし、丁寧に生きている人だと思うからです。肌に直接触れるものなので心地よいものを着けていたいでしょうし、誰にも見せなくても素敵なランジェリーを着ているとなんとなく自信が湧いてくるアイテムでもあり好きになりました。
そしもう1つ、ランジェリーって面積は小さいしある程度形も決まっているけれど、そこに文化があり、多くの最新技術や職人の技が凝縮されているんです。お国柄や考え方も現れますし、さらに言えば女性の生き方も現れるんです。女性がコルセットから解放されたことで社会進出が進んだり、今みたいにお家で過ごすことが多くなるとノンワイヤーのブラジャーが人気になったりして、社会の流れと下着の歴史ってすごくリンクするんです。
例えば、レース1つをとっても職人さんの技が凝縮されています。ランジェリーってレースの役割が大きいじゃないですか。レースが美しいとスリップなんかもすごく美しくみえますよね。そういったところも好きです。
― スリップやキャミはなかなかランジェリーとして揃えている人が少ないですよね。ピンクラビットさんも着用していますが、本来はどういった役割のものなのでしょうか?
キャミソールなんかは、下着だと思っていない人もいますもんね。例えばスリップなんかは着る事によってスカートの滑りを良くしたり、足さばきを良くしたり、ブラやショーツが透けるのを防げます。あとは汗が洋服に直接付くのを防ぐなどの機能性があります。
形がワンピースのような形なので色んな装飾ができますよね。私は総レースのシンプルなデザインが好きですが、好みによっておリボンやアップリケを着けたり、裾にフリルをつけてみたりとお洋服をデザインするようにスリップはデザインできます。そういった点を楽しむというのも、ランジェリーのオシャレの楽しさだと思います。
例えば、黒のシンプルな制服のようなワンピースの下に、美しい赤レースのスリップを着ているとか、素敵じゃないですか? 洋服を脱いだらもう1枚その下にドレスを着ている。スリップはそんな存在だなと思います。
― 肌の上にあるドレスですね! とても素敵です。 忘れかけていた存在でしたが、おかげでスリップへの愛情が芽生えてきました。今後のご活躍も楽しみにしています。
一般社団法人 日本ボディファッション協会
OFFICIAL WEB SITE https://www.nbf.or.jp/
Pink Rabbit
OFFICIAL BLOG https://ameblo.jp/pinkrabbit-nbf INSTAGRAM @pinkrabbitnbf
ランジェリー大好き。Lingerine第1号です。ファッション、美容、ワインも好きです。よろしくお願いします。