【国内ランジェリーブランドレポート Vol.4 – K+1% ケープラスワンパーセント】
女性にとっては毎月訪れる生理、お腹も痛いし憂鬱…
そんなネガティブなイメージをポジティブにしてくれるアイテムが沢山ある 『K+1% ケープラスワンパーセント』
ディレクターのスド=キョ=コ/Kjoko Sudohさんに生理のイメージを変える新たな取り組みや、過去の仕事経験など色々お話を聞かせていただきました。
― ブランドの立ち上げの経緯を教えてください。
女性にとって生理は普通の事なのに隠さないといけないような雰囲気がありますよね? 生理になったからってそれを隠して、おしゃれをする楽しみをどうして我慢しなきゃいけないんだろうって、ずっと理解出来ないでいました。
それと、下着屋さんに行くたびに可愛い生理ショーツを探していたけど見つからなくて…どこかにいいのはないかな? と友達のスタイリストさんやタレントのマネージャーさんなど色々な人に聞いていたんです。当時、私はスタイリストの仕事をしていてアイドルの衣装デザインなども手掛けていたので 「衣装のデザインも出来るんだし、自分で作っちゃえばいいんじゃない」 って言われて… 「それなら自分が欲しいものを作ってみようかな」 って思ったのが下着を作ったきっかけですね。最初は友達や自分の分くらい作れればいいかなと思い、色は黒一色にして、ベロアの下着も欲かったけど売っていないから素材はベロアを使う事にしました。
作ってみるとわかるんですけど、ベロアの生地はとても高くて、今は利益を度外視した価格にしましたが、実際に販売するとしたら3倍くらいの価格になるため、普通の会社ではあまり作れないと思いますね。それでもせっかくなら自分の納得するものが作りたいと思ったので、素材やデザインには自分のこだわりを詰めました。
クロッチも自分の視界に入った時に白、ベージュより汚れが目立たない黒い色にしたり、クロッチの大きさにもこだわったり、羽が入ると使いやすいなとか、実用的な面を考えつつ、自分だったらこっちの方が履きやすいなと考えてデザインをしました。最初は1色の予定だったけど、生地を選んでいたらこれも可愛い、あれも可愛いって色が増え、ブラも作りたいなと思って気がついたら種類も増えていました。笑
― ブランドに対する思いや大切にしている所はどんなことですか?
いつもノーマルでいたい。そして非日常という言葉が無ければいいなって思っています。生理の時は日常であってもいつも通りにはならない非日常、生理の時も毎日を楽しむのと同じように普通に楽しめたらいいよね! それがブランドとして大切にしたいところです。それと、楽しくなる要素ですね。
女性って色々とホルモンバランスのせいでイライラしたりPMSなど、生理で気分が落ちたりひどい人は注射をしたりしないといけないくらい気持ちが整わないことがあります。でも、女性は感情的な部分も強いので、気持ちで左右される事も多いはず…気持ちを前向きに変化させることが出来れば有意義な時間を過ごせるように変わるのではと考えています。
例えば、下着は肌に1番近い物で、お洋服の中で1番最初に身に着ける物だと思いますし、外からも見えないので色も楽しめます。生理ショーツ自体はみんながいつも使っている物と機能的には変わらなくても、デザインや色、形がワクワクさせるような物で、いつもと同じように下着が選べる楽しみがある、そういう楽しくなる要素がある事で気持ちが変わり生理のネガティブなイメージが和らぐんじゃないか、フェムテックではなくてフェムサイコロジーと呼んでいて、心理面から女性をサポートしたいと思っています。
生理のイメージをポジティブにするためには、女性側だけでなく男性側にも意識を持ってもらいたいと思うんです。私がデザインをした下着を見せた時 「めちゃめちゃいいじゃん! これだったら可愛いと思うし、凄いセクシーだよ!」 という男性の声も沢山あって男性からのプレゼント需要もだいぶ増えました。
あとは、ファーストサニタリー、生理を迎える子供たちに向けたアプローチをしてお赤飯の変わりに 『K+1%(ケープラスワンパーセン)』 というキャンペーンを行っていきたいです。
子供の頃ってちょっと体調が悪かったり、体育を休んだりすると生理ってひやかされる、お母さんと生理パンツを買いに行っても大きくて可愛くないパンツのイメージで気持ちが上がらない…とか生理になることが恥ずかしい、嬉しくないそういう事を変えられないかなと考えていて、もし生理パンツが可愛かったら、生理になってもあの可愛いパンツが履けると思ってもう少しポジティブに捉えられる気がするんです。
それに家族の前でお赤飯を出される感じも少し古いし、恥ずかしくてあまり嬉しくなかった記憶もあるんです。
そのおめでとうが、楽しみに変わるとしたら、新しいものを与えられる時なのかなと思って、入学式や卒業式、お誕生日みたいな感覚でお祝いする、お母さんからおめでとうが伝わるギフトとして 『K+1%(ケープラスワンパーセン)』 をプレゼントしてもらえる。
大人の第一歩が可愛い下着で始まるそういう風にシフトしてくれる機会になったらいいなと思っています。
― ショーツをデザインするときに何か決まってしていることや参考にしていることはありますか?
参考にしているのはお客様の声ですね。基本的にはお客様の質問から抽出することが多くて、ブラレットを着慣れてない方は「パッドは入らないですか? これはニプレスを着けて使う物ですか?」 などの質問をされることがあるので、新しく作るものはパッドを入れられるようにしたり、トップが響かなくて安心して着けられるようにデザインをしたり、大きいサイズの要望があったらサイズ展開も増やすようにして、お客様の声を反映するように商品を作っています。
これをやり始めて思った事なんですけど、エンドのお客様の声がダイレクトに良くも悪くも届いてくるなってところで、スタイリストをやっていると今まではどんなに大きい広告の仕事をやっても、どんなアーティストの仕事をしてもエンドユーザーのお客様の声って全然届かないんです。間接的に聞くことがあっても直接聞くことはない、でも今はダイレクトに声が届くのが面白いなって思いますね。
色に関しては旅行が好きなので、海外に行った時にインスピレーションを受けた色を使用していて、特に限定カラーはその色が反映されていますね。旅行に行った時に見た色、景色、建物、ご飯なんでも、こんな組み合わせも綺麗だなとか日本にはあまりない感覚の色の使い方を見つけては、写真を撮るなどして記憶に残すようにしています。
形は一緒なので色にフォーカスをおいていて、この色のこの組み合わせはみんな好きだろうなとか、この感じだとスポーティで良いかな? とか、などみんなはこの組合せが好きかな? とお客様の事を想像しながら作っています。
― 特徴的なバンドゥのブラですが、バンドゥの形のブラにした理由は何かありますか?
バンドゥの形のブラが欲しいと思って作りました。私、開きの広いお洋服を着ることが多くて、そういう服から見えてもいやらしくなくてキャミソールを着ているのと同じような感覚で使えるブラにしたかったんです。
それと、バンドゥのブラのツイストしている所にバストトップがちょうど当たってバストトップが透けにくいんです。これは作ってから発覚した偶然の産物です。
あと、生理の時に膨張してバストが大きくなりワイヤーだと痛い、サイズが変わって苦しいなどのトラブルもバンドゥのブラだと伸びてくれるのでサイズが変わっても対応出来ますし、生地はが柔らかくて肌あたりも優しいです。自分が欲しいと思った形ではあったんですが、機能的で使い勝手が良い物になったと思っています。
― 最新の商品はどんなものですか?
秋冬の カーニバル と ショコラ が最新商品ですね。
名前をカーニバルにした理由は、ポイントに入るオレンジがちょっと楽しいなと思ったのでつけました。キャメルをベースにしてカーニバルとショコラの両方に使っているんですけど、キャメルの色が溶けるみたいに肌馴染みが良くてとても綺麗です。一般販売は11月からになります。
― ランジェリーに目覚めたきっかけを教えてください。
スタイリストの前職が 『H.P.FRANCE(アッシュ・ペー・フランス)』 の 『Juana de Arco(ホォアナ デ アルコ)』 のスーパーバイザーをしていたんです。
アルゼンチンのブランドなんですけど、その頃まだ認知度がないブランドで、それを日本で広める為にブランディング、ポップアップ、売上から全てのことを考える仕事をしていたんです。 『Juana de Arco(ホォアナ デ アルコ)』 は下着も取り扱っていたのでブラレットは15年くらい前から使用していました。
日本にはまだブラレットは今ほど浸透していなくて、パッドのないブラやノンワイヤーブラもインポート以外ではほとんど見かけることはなかったです。でも 『Juana de Arco(ホォアナ デ アルコ)』 のブラレットを使用していたこともあって、パッドのあるなしやワイヤーのなしなども抵抗が無くて、楽しんで下着を着る感覚っていうのはここで学んだと思います。
下着は元々好きで、お洋服よりも好きかも知れません。日本の下着もインポートの下着も買っていますが、圧倒的に海外の下着を取り寄せて購入することが多いですね。海外のものや色々な下着を購入したいと思うようになったのは 『Juana de Arco(ホォアナ デ アルコ)』 の影響だと思います。
― 最初に購入した又は一番印象に残っているランジェリーはどんなものですか?
ランジェリーでパッと思いつくものはなかったですが、水着が凄く好きだったのはありますね。
これは下着を作ったことの1つでもあるんですけど、水着って年に数回、1回も着ないこともあるのに何で水着は毎年沢山買ってしまうんだろう? 生理なんて毎月来るのに、何でこんなに違うんだろう? ってブランドを立ち上げる前に疑問に思っていました。それと、最初にデザインした時、水着の形なら生理のショーツいけそうって、水着のデザインからインスピレーション受けたのを覚えています。
― 持っているランジェリーの数はどれくらいですか? またランジェリーを選ぶときのこだわりなどはありますか?
そもそもスタイリストなので、お洋服だけでも1.5部屋使っていて、靴でも200~300足くらい全体的に人より3倍くらい物が多いと思うんです。その延長線上で下着も人より多くて、あとは撮影して買い取りした物もあるので全部数えたら200~300枚くらいはあるかも知れません。
ランジェリーを選ぶときのこだわりなどはないんですけど、これだけは選ばないっていう物はありますね。ブラの中心に小さいリボンや小さいバラの付いているやつが苦手で…あれだけは選ばないです。年代関係なく付いているじゃないですか? ショーツにも付いていて、子供の時はリボンが前の印だよって教えられて、前の印なんだろうなって思っていました。笑
― 今後の展開を教えてください。
12月くらいにリュクスコレクションを発売する予定です。テディのフリルで使用していた素材なんですけど、そのチュールドットで三角ブラ・サニタリー・フルバック・タンガを作っています。それにパールチェーンの紐を用意していて、アクセサリー感覚で色々な所に付けられるようにしています。今までとはだいぶイメージが変わるので、クリスマスやオケージョンに向けた別ラインとして発売します。チェーンは取り外しをして普通の紐に変更も可能です。
あとは春夏のコレクションですね。それは今迄と同じ形で生地が変わり、サスティナブルな素材で作っています。生地はテンセル・ユーカリを原料にした素材で、柔らかくてモチモチした生地間で吸湿性もあるので春夏にはピッタリの素材です。色もとても可愛いので、楽しみにしていてください。
【11月23日(月)まで】渋谷西武A館6FにてPOP UP STORE 開催中
場所 : 渋谷西武A館6F @shibusei_seibu_shibuya
日時 : 11月17日(火)~23日(月) 最終日は17時ごろまで
◎秋冬限定カラー 一般店頭販売 ◎限定カラータンガの発売 ◎カシュクールブラLサイズ先行発売 ◎2万円以上ご購入の方にK+1%オリジナルエコバッグのプレゼント。
尚、期間中ディレクター&デザイナーのスド=キョ=コ @kjoko_sudoh も在店致します。在店日の詳細は下記です。
デザイナー在店日
20日(金) : ◎ 1日在店
21日(土) : ○ 12時~
22日(日) : ○ 12時~
22日(月) : ○ 12時~
お近くの方は是非ご来店下さい。
K+1% (ケープラスワンパーセント)
OFFICIAL ONLINE STORE
https://www.kplus1percent.com/new-collection
Instagram
@kplus1percent
【今回ご紹介したアイテム】
ランジェリー大好き。Lingerine第1号です。ファッション、美容、ワインも好きです。よろしくお願いします。