Lingerine ショップ&ブランド[ 再建手術後編 ] ~乳がんを経験しても、おしゃれを諦めない~ 乳がん経験者が作った乳がん専門ランジェリーavoir(アボワール)代表 中村真由美さんに学ぶ 手術後・再建後のランジェリーの選び方

乳がんは女性にとって身体的にも精神的にも大きな負担となる病気です。前回記事では、ご自身の乳がんサバイバー経験から乳がん専門のランジェリーブランドを立ち上げた中村真由美さんより、乳がん手術を終えた後のブラの選び方、着け方を教えていただきました。
近年では乳房再建手術を受けられる方が増え、みなさん「自分の身体に合う、且つおしゃれであり術後の胸を保護しながらも美しく補正できるランジェリー」を探されています。今回は引き続き、「乳房再建手術」を受けられた後におすすめのランジェリー、着け方、整え方について、これまで1000人以上の患者さんと接してこられた中村さんならではの豊富な知識と経験から貴重なお話をお伺いしました。

― 再建手術後はどういったブラを着けると良いのでしょうか?

乳房再建、特に自家再建(自家組織を使用する乳房再建)手術をされた方の場合、バージスラインや乳房を締め付けすぎると毛細血管が繋がることを阻害してしまう恐れがあります。術後すぐの乳房は腫れあがっていますし、日々の体調によっても状態が変化するので、纏うように着ける柔らかいブラジャーをおすすめしています。

とにかくしめつけない! 纏うように着ける「ルルフィット」

ルルフィット乳房再建手術の先駆者でもある武石明精先生をはじめとし、女性医療者と約40名のモニターで開発しました。

裏面はサラサラのガーゼ状態で何も引っかかりのない状態です。かといって女性としてはお胸のバランスが悪いまま放っておけないので外側にだけパッド入れを作り、調整をできるようにしました。
アジャスターも8列と長く作り、腫れが引くと共にカットして調整できる作りになっています。

画像出典:avoir HP

とにかくアンダー部分を締め付けないことが大事なので、バージスラインより下の部分で締めるように作っています。

画像出典:avoir HP

私たち乳がん患者は、リンパにがんが転移していないかを確認するためセンチネル生検をしますので、その部分の保護もすることができます。
なので、再建後だけではなく摘出手術後の患者さんも「このブラがとっても楽だ」ということで愛用してくださっている方もたくさんいます。
おしゃれさは少ないですが、綺麗なお胸を作るための数か月間の我慢です! 血管が繋がったあとには必ず綺麗なお胸が無事に出来上がります。

― 手術を乗り越えて綺麗なバストが出来るまで、あともうひと踏ん張りですね・・・! 再建手術後、落ち着かれた後はどういったブラジャーを着けていくのでしょうか?

手術を担当する先生たちはベストを尽くして綺麗にお胸を作ってくださるのですが、「思ったより少し上に上がっちゃったかな・・・」「思っていたより少し幅が広かったかな・・・」ということもあります。患者さんそれぞれの個体の違いもあますし、術後も太ったり痩せたりしていきます。
例えばインプラントで再建の場合は、インプラント自体の大きさは変わらないのですが、健康な側の胸は体型の変化と共に胸の左右差が出来ます。また、自家再建の場合は自分の脂肪を使うのでその脂肪も太ったり痩せたりします。特に、お腹の脂肪を移植した場合は、お胸よりお腹の脂肪の方が太りやすいのでこれもまた左右差となっていきます。
先生方からは「綺麗な胸を保つためにも太らないように」ということを言われますが、乳がん患者が同じ体型で居続けることはまず難しいんです。
患者さんのほとんどがホルモン剤を飲んでいて、副作用で太りやすくなり代謝も落ちます。強い治療をすると痩せてしまうし、更年期になるとまた太りやすくなるというどうにも抗えないものがあるんです。
「せっかくここまで頑張ってきたのに・・・綺麗な胸を保ちたい!」そうった患者さんの悩みを解決したいと、武石先生たちと共に作ったものが「エメリタ」です。

乳房再建手術後の胸の左右差を解決する「エメリタ」

「バストの大きさの左右差がある」「アンダーバストが揃わない」そうなると「ブラジャーの選び方がわからない・・・」という問題に皆さん困られています。
エメリタは、長さや曲線の違うワイヤーを入れ替えることが可能で、左右別々に自分に合ったバストの位置をキープできます。もちろんワイヤーなしでも使えます。
下の写真はBカップとGカップで同じLサイズのブラを着けています。

― アンダーサイズだけで選ぶことが出来るということですか?

はい。サイズ展開はS / M / L / LL / 3Lがあり、アンダーサイズさえ分かれば、特許を取った技術で生地がぐーっと伸びて、左右乳房の大きさを調整するため、あとは各々のバストに合わせた幅のワイヤーを入れてあげれば個人に合った着け方ができるんです。

このように(上の写真)、特許技術により乳房の大きさに合わせカップ生地が伸びる製法を取り入れているので、Bカップの方もGカップの方も付けられるのが特徴です。

さらに、アンダーベルト部分もすごく柔らかくて伸びが良いです。本来あまり太ってはいけませんが、多少の変化であればブラを新しく買いなおさなくても、調整が出来るかなと思います。

― 経済的ですね! 着け方やポイントも教えてください。

まずは「アンダーバスト(バージスライン)の高さが揃わない」というお悩みに対して、アンダーバストの高さを調整するために「下側のパット入れ」に付属のパッドを入れます。

この時、小さいほうのお胸に入れ、調整していきます。大きいお胸を縮めることはできませんからね!

次に、「胸の大きさに左右差がある」というお悩みには、「もう1つのパッドポケット」にボリューム調整用のパットをいれます。

こちらは、ご自身のお持ちの物を入れてください。

最後に、「ブラの外側にあるワイヤー入れ」に付属のワイヤーの中から自分のお胸に合ったものを選んで入れていきます。

着用方法はHPでも動画でも詳しく紹介されています。

例えば、健康な胸の側だけにワイヤーを入れて下垂を防ぐという使い方もできますし、太ってきた場合はワイヤーを入れ替えたり、自分でカスタマイズしたりすることが出来るんです。
インプラントが入っている方は、インプラント側はワイヤー無しにしたり、インプラントを破損しないように覆うようなサイズのワイヤーを選ぶということも出来ます。
ワイヤー入りブラを使うことについては、ご不安を感じている患者さんも多いので担当の医師とご相談の上決めていただいております。
付属のワイヤーに関しても、私たち乳がん患者のセンチネル生検をした脇部分を圧迫しないように通常のブラに入っているワイヤーより短く作っています。
個人個人によってカスタマイズするのでもしも付属のワイヤーサイズ合わない場合は、商品に同封されている封筒にサイズ交換表を同封して送っていただければ、無料交換を1回まで行っています。

「修正術」の手術でお胸を作り直すという方法もありますが、手術は身体への負担も大きく「もう手術はしたくない・・・」という方、また「再建」をしていなくても「温存」で乳がんの手術をされた方であれば、エメリタを使っていただくことで調整がうまく出来る方もいらっしゃいます。

― とても画期的ですね。特許を取られているのも納得です。お揃いのショーツがあってセットで着けられるのも女性としては嬉しいですね。

そうですね「これまで頑張ってこられた女性のために。」ということで武石先生がショーツも作ろうと提案してくれたんです。
「エメリタ」の名前の由来にも思いがありまして、上皇后様の英語名称を「the Empress Emerita(エメリタ)」と呼ぶのですが、これには「あなたがしてきた経験 、功績に対するリスペクトをします」という意味があるんです。この商品が完成した時、一生懸命がんと闘って再建手術もしここまで頑張ってこられた患者さんのことを思うと、これしかないな! と思い、名付けました。
エメリタ完成の時期がちょうどコロナ渦突入の頃だったので、とにかく「命優先」であり再建手術は後回しで2~3年待たれた患者さんも多くいました。
こういったブラがあるということもなかなか広めることが来なかったので、是非お試しいただきたいです。

― 今後について、他社のブラでも使うことが出来る、シリコンパッドを開発中とお聞きしたのですが・・・

そうですね。現在市場に存在するシリコンパッドは、各ブランドでしか使えない専用商品で、3~4万とお値段も高価なんです。なのに、2年ほどすると破損してしまう・・・。そういった部分を解決できるように、サステナブルの観点にも立った上で、他ブランドのブラジャーにも使える且つ耐久性にも優れたものを開発中です。

― それは多くの患者さんが喜んで下さりそうですね! 最後に中村さんから読者、乳がん患者さんへのメッセージをお願い致します。

乳がんは誰しもが初めてかかる病気です。1人で抱え込まずに、困ったことがあれば是非聞いてもらいたいですし、当社の試着には、試着も店試着と自宅で試着できる宅配試着サービスがありますので、ぜひ利用していただいて自分にピッタリ合うブラジャーを選んでいただきたいと思います。このお仕事をして沢山の患者さんに接してきたからこそお伝えできることはあります。同じ乳がんを経験していても「全摘」「温存」でも異なりますしそれぞれの患者さんで下着に関する悩みは様々で、ブラジャーに正解はありません、術後のブラジャーについては、担当の医師の指導を優先とすることをお勧めしています。その上で、少しでも楽に着けることができたりキレイにお胸を整えることで自信を持って洋服が着れたり、気分を上げることがきるブラジャーを開発して、私達だからこそできるアドバイスをしていけたらと思っております。

― 本日は、大変貴重なお話、本当にありがとうございました。

 

アボワールインターナショナル株式会社

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Sayuri

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